絵画におけるヒエラルキーとは

 

絵画には様々なジャンルが存在する。

現在はジャンル、洋の東西とはず素晴らしさはその作品による。

しかし、以前は全ての作品が同じような評価を受けていたわけではない。

絵画に存在するヒエラルキーを紹介する。

 

目次

1.絵画のヒエラルキーとは

2.ヒエラルキー誕生の背景

 

絵画のヒエラルキーとは

最上位に位置づけされるのは「歴史画」である。

歴史画は宗教・聖書・神話などから構成され、そこに登場する神や王などの偉大さから最上位に位置づけされている。

また、別の理由に歴史画を描くためには主題を正確に把握しており、同時に描かれることとなる建築物の知識が不可欠となる。そのため、画力や構成力のみならず教養を同時に併せ持っていないと質の高い作品を描くことができないため、「歴史画」は別格の地位を誇っている。

 

その次に位置づけされるのは「肖像画」である。

肖像画として描かれる人物は地位の高い人物がほとんどであった。そのため「肖像画」は「歴史画」に次ぐ評価を受けていた。

 

これらに続くのが「風俗画」である。風俗画はいわゆる「一般市民」が描かれているものであり、

神様→地位の高い人物→一般市民といった序列となる。

 

そしてその下には「風景画」がさらに下には「静物画」といった序列が絵画には形成されている。

 

ヒエラルキー誕生の背景

 

このような絵画におけるヒエラルキーの確立は17世紀以降とされている。

それ以前は基本的に「歴史画」と「肖像画」が美術市場の大半を占めていた。

 

しかし「歴史画」の不随物でしかなかった人物や風景は同じく17世紀以降にジャンルとして独立をしていく。

 ジャンルやヒエラルキーの確立に大きく影響するのが美術アカデミーの創設である。このアカデミーでは当時の貴族の爵位と同様に画家たちの地位を確立していく。

例えば、教授や会長の座に就くのは「歴史画家」とされていた。こうしたアカデミーという組織制度の下、先述のヒエラルキーが確立していくこととなる。

 

 

 

 

このように確立した絵画におけるヒエラルキーは19世紀に迎える民主化や社会の多様化により希薄していくこととなる。

しかしながら、ヒエラルキーが存在していた確かな事実は当時の作品を楽しむ上では間違いなく欠かせない知識である。

 

 

<参考>

井野澄恵、井出創 『教養としての西洋美術史』 2019年 株式会社宝島社

木村泰司『世界のビジネスエリートが身につける教養 名画の読み方』 2018年 ダイヤモンド社