デキャンタージュ<ワインを美味しく飲む>

 

ワインをガラスの容器(デキャンタ)に移し替える行為「デキャンタージュ」

うまくデキャンタージュすることによって、ワインの美味しさを引き出すことが可能です。

 

デキャンタージュの目的とその方法についてご紹介します。

 

 

デキャンタージュの目的とは?

 

デキャンタージュの目的には以下の3つがあります。

 

1、味をまろやかにする

赤ワインに多いポリフェノールは渋みを強く感じます。また、有機酸からくる酸味やアルコールの辛味も強く、美味しくないと感じる方も多いものですが、デキャンタージュすることでまろやかになり飲みやすくなります。

 

2、香りをたたせる

開栓してすぐの赤ワインは、本来の香りを発揮しておらず、いわゆる「閉じた」状態であることが多々あります。デキャンタージュし空気に触れさせることで、本来の芳醇な香りを取り戻すことが出来ます。

 

3、澱(おり)をとりのぞく

ワインは熟成の過程において、酒石酸やタンニンが結晶し澱となります。澱は、人体には無害ですが、口当たりや、グラスに入れた際の見た目が悪くなるため、デキャンタに移し替え取り除きます。

 

 

デキャンタージュの方法とは?

ワインの熟成具合や目的によって使用デキャンタが変わります。

 

若くて香りを開かせたいワインの場合

注ぎ口や底面の広いデキャンタを使いましょう。

空気に触れる面積が広く、ゆっくりと注いでいく事によって本来の美味しさを花開かせます。熟成が進んでいないワインの場合、デキャンタージュしてから12時間おいておいた方がよりおいしく飲めることが多いです。

 

 

熟成が進み澱を取り除きたいワインの場合

ワインの状態が非常にデリケートなため、飲む数日前からボトルを立たせて澱を沈めておきます。

セラーから運ぶ際や抜栓時は、澱が液中に舞わないよう細心の注意を払って静かに行います。

デキャンタを傾け、ボトルの首元にライトを当てるなどし、澱がデキャンタに入らないように気を付けて注ぎます。デキャンタは細身で縦長のものが向いています。

 

 

デキャンタに向くワイン、向かないワインとは

デキャンタージュが有効なワイン

・ボルドーのワインや若いワインなど、渋みや酸味、辛味が強く、香りが閉じているもの

・長期熟成を経て澱の溜まっているもの

・抜栓後に、卵の様な不快な還元臭がするもの

 

デキャンタージュが有効でないワイン

・ピノノワールなどの様に香りや味わいが繊細なワイン

・酸味が味わいに深く関係している白ワインやスパークリングワイン

 (ピノや白でもデキャンタージュが有効な場合もあります。)

 

 

 

この様に、デキャンタージュはワインをより美味しく飲むために非常に効果的ですが、その方法、時間、ぶどうの種類などによってワインを壊してしまう場合もあります。

自分でいろいろ試してみるも良し、経験豊富な方から学ぶも良し。上手く開かせて飲むことが出来たワインには格別の美味しさがあります。

 

そこがワインの奥深さであり、面白さでもありますね。