ワインは健康に良いのか
~フレンチパラドックスとは何か~
「酒は百薬の長」という言葉がある。
乳製品や肉を良く食すフランス人は心疾患による死亡率が低い。
イギリスやドイツ等の欧州各国を見てみると乳製品を多く摂取する国は心疾患による死亡率は高く、乳製品をあまり摂取しない国は死亡率が低いといった相関関係が見て取れた。しかし、先述の通りフランスは例外であった。そしてその理由が「フランス人は赤ワインを多く飲むからではないか」とされていた。
乳製品(チーズ等)や肉には多くの飽和脂肪酸が含まれており悪玉コレステロールを増やす働きをする。悪玉コレステロールは活性酸素により酸化することで血管壁に溜まり、動脈硬化等を引き起こす。
赤ワインには「ポリフェノール化合物」が多く含まれる。ポリフェノール化合物は主にブドウの果皮等に多く含まれることから赤ワインに多く含まれている。このポリフェノール化合物は抗酸化物質と言われ活性酸素の過剰な働きを抑制する効果も持っている。これにより悪玉コレステロールが参加することを防ぎ、動脈硬化を引き起こすリスクを低減させている。他にもワインの成分であるポリフェノール化合物の一種からは抗ガン作用があることも発見されている。
また、白ワインも負けていない。白ワインにはミネラルが多く含まれている。更には酒石酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれていることから腸内細菌のバランスを整え、大腸菌やサルモネラ菌等に対する抗菌力が強いとされている。ポリフェノール化合物の量が赤ワインと比較すると少ない白ワインであるが抗酸化作用は変わらない。
フランスのとある研究所の発表によると1日に2,3杯のワインを飲むと病気による死亡率が約30%減少したという。
「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉がある。
確かにワインには死亡リスクを低減する効果がある一方、アルコールを多量摂取することで死亡リスクを高めてしまうこともある。メリットとデメリットは表裏一体である。「健康になるためにワインを飲む」のではなく、「ワインを楽しみながら健康も手にする」この考えでワインを楽しんでいきたい。
<参考>
https://diamond.jp/articles/-/254663