ワイン豆知識①

ワインには長い歴史がある。

約8,000年前から製造されていたと言われているワインは、長い時を経て今もなお愛され続けている。

産地、品種、醸造年などの違いから様々な顔を持つワインについて、我々はどれだけ知っているだろうか。

今回はワインに関するちょっとした豆知識をご紹介していく。

目次

  1. 世界最古のワイン醸造の痕跡がある国
  2. 世界三大貴腐ワイン
  3. 「日本ワイン」の定義

世界最古のワイン醸造の痕跡がある国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年にジョージアの首都トビリシにある遺跡から約8,000年前の土器が発見され、考古学者らの調査の結果ワインを作っていた痕跡が見つかった。

 ジョージアのワインは「クヴェヴリ*」による独自の醸造法を用いて作られる。この古代から伝わる製法は2013年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。

 クヴェヴリ製法によって白、赤、オレンジそれぞれのワインが作られている。中でも有名なのは「アンバーワイン」と呼ばれるオレンジワイン。

幅広い料理に合わせることができる特徴が近年人気を博している1つの理由である。

 

*ジョージアの土で作られる窯で焼き上げた素焼きの壺

世界三大貴腐ワイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

糖度が高い貴腐ブドウを使用することで極甘口に仕上がる貴腐ワイン。

貴腐菌というカビがブドウに付着することで、果皮に穴が開き菌が組織内に侵入。その後ブドウ内の水分が蒸発することで収穫時には糖度が凝縮された貴腐ブドウが出来上がる。

 ただし、貴腐ブドウを栽培するには厳しい条件がある。菌の生育には朝に霧が発生するような温度と湿度が必要とされている。一方で日中は乾燥し、ブドウ内の水分の蒸発が十分であることも条件となる。

 このような厳しい条件下で作られるため比較的に高価で取引されるケースが多い。その中でも特に有名な以下の貴腐ワインが「世界三大貴腐ワイン」とされている。

 ・トロッケンベーレンアウスレーゼ(ドイツ)

・ソーテルヌ(フランス)

・トカイ(ハンガリー)

「日本ワイン」の定義

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国内における酒類の消費が伸び悩む中、ワインは国内製造分を含め消費が拡大している。

近年、国際的なコンクールで国産ブドウで造られるワインが受賞するなど品質の向上が進んでいる一方、ラベル表示などに関する公的ルールの整備はEUを始めとする歴史的なワイン製造国からは大きく後れをとっていた。

このような背景から2018年、「日本ワイン」が厳格に以下のように定義付けされた。

 

<日本ワインの定義>

日本ワインは、国内で収穫されたブドウ「のみ」を使用し、「日本国内」で製造された果実酒

 

また、国内で製造されたワインを「国内製造ワイン」、輸入されたワインを「輸入ワイン」と区分。そこから上記基準を満たすものを「日本ワイン」と区分。

この他にも高品質ワインの製造の観点から    「地名、品種名、収穫年」などにも表示基準を設けた。

 

 

<参考>

日本経済新聞「スパークリング、オレンジ、貴腐…クイズで知るワイン」 2020.12.21

国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2018/pdf/052.pdf