ボジョレー・ヌーヴォー値上げへ
エネルギーや原材料価格の高騰により、日々商品やサービスの値上げのニュースが報じられている。
毎年11月に報じられる赤ワイン「ボジョレー・ヌーヴォー」にもその値上げの波が押し寄せてきている。大手飲料メーカーのサントリーは今年の秋に発売が予定されているボージョレ・ブーヴォーの価格を最大で2.2倍の引き上げを予定していることを発表した。
<ボジョレー・ヌーヴォーとは>
ボジョレー・ヌーヴォーはフランスのボジョレー地区でその年に収穫されたブドウを使って作られる新酒のことを言う。
「ボジョレー」は上述の通り地区の名前であり、フランスの首都パリからは南東にあるブルゴーニュ地方の南部の街である。なだらかな丘陵が広がっており、「美しい高台」を意味する「ボージュ」から由来すると言われている。
「ヌーヴォー」はフランス語で「新しい」を意味しており、その年に収穫されたブドウを醸造した新種のワインであることからこの言葉が用いられている。
<ボジョレー・ヌーヴォーに使用される品種ガメイ>
ボジョレー・ヌーヴォーは「ガメイ」というボジョレーを原産とする黒ブドウを使用して作られている。ガメイは粒が大きく皮が薄いのが特徴とされることから、他の赤ワインと比較すると色が薄い。
ガメイは比較的早熟で、冷涼な気候でも栽培が可能である為安定した収穫ができる。
ライトな色調とフルーティーな香りで、飲みやすいカジュアルなワインと仕上がる。
<解禁時期>
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は毎年11月の第三木曜日と法律で設定されている。これにより、実は日本は、本場のフランスより一足先にボジョレー・ヌーヴォーを手にすることが出来ている。
1980年代に空輸でのワイン輸入が開始され、当時バブル期であったことも相まり日本でボジョレー・ヌーヴォーが大きなブームとなった。そこから紆余曲折はありながらも40年程経った今でも毎年のように秋の解禁日が近づくとその話題を目にする機会が多くなる。それはやはり、「世界で一番早く手に出来る」という優越感と、その価値に魅了される日本人らしさなのではないだろうか。
今年のボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月17日(木)である。例年に倣い、本年も世界で一番早い解禁となる。今年は1,000円以上の値上げが待っている。世界的なインフレや円安傾向が続く場合、ボジョレー・ヌーヴォーも手が届きにくいワインとなる未来がやってくるかもしれない。