ご存じですか? 雑損控除と災害減免法
ご存じですか? 雑損控除と災害減免法
災害によって
住宅や家財に損害を受けたときは、
税金面で手当てがある
「雑損控除」、また
「災害減免法による所得税の軽減免除」
の制度があります。
まず、「雑損控除」は、
災害のほか盗難、
横領による損失も
対象になりますが、
「災害減免法」では
震災、風水害、火災等の災害による
損失に限られています。
対象となる資産の範囲も
異なっています。
雑損控除では
「生活に通常必要な資産」に限られ、
災害減免法では「住宅」や
「家財」のみが対象とされています。
いずれも、
別荘や貴金属類、書画、骨とう等で
1個または1組が30万円を
超えるものは対象外です。
さらに、災害減免法では、
損害額が住宅や家財の価額の
2分の1以上であるとの
要件が付されています。
雑損控除と災害減免法は
いずれか有利なほうを選択できます。
損害額が同じでも、
どちらを選択するかで
軽減される税額が異なります。
どちらが有利か
あらかじめ算出しておくことが
良いでしょう。
計算方法は次のとおりです。
■雑損控除
次のいずれか多い方が控除額。
〔損害金額-保険金等により補てんされる金額〕
-所得金額の10分の1
〔損害金額-保険金等により補てんされる金額〕のうち
災害関連支出の金額-5万円
■災害減免法
・その年の所得金額500万円以下
……所得税全額免除
・その年の所得金額500万円超750万円以下
……所得税の2分の1の軽減
・その年の所得金額750万円超1000万円以下
……所得税の4分の1の軽減
ちなみに、所得600万円、
夫婦子ども2人(子どもは16歳以上で
うち1人が19歳~22歳)のケースで
災害損害がないときの所得税が
28万200円とした場合、
雑損控除を適用した場合の所得税
(および復興特別所得)の額は、
次のとおりとなります。
・損害額100万円の場合 21万7900円
・損害額200万円の場合 11万5800円
・損害額300万円の場合 5万6600円
災害減免法を適用した場合は、
損害額100万円、200万円、300万円の
場合のいずれも所得税等は14万100円。
したがって、このケースでは
損害額が100万円の場合は災害減免法、
200万円、300万円の場合は
雑損控除の適用が有利となります。
雑損控除とどちらが有利か迷う場合は
専門家に相談すると良いでしょう。