ワインの歴史
今では手軽に飲むことができるワインですが、その歴史は知っている方はどれほどいるでしょうか。
非常に長い歴史を持つワインの起源を知ることで、今まで以上にワインを楽しむことができるのではないでしょうか。
目次
世界最古のワイン
ワインの歴史の始まりは、一説によるとワイン醸造の証拠が発見されている約8,000年前のジョージア辺りとされています。(日本では縄文時代)
また、ワインが初めて文献に登場したのは紀元前2000年頃の「ギルガメッシュ叙事詩*」には船大工にワインを振舞ったとされる記述が残されています。
*当時の出来事を書き記した最古のメソポタミア文学作品
世界へと広がるワイン
「ワインと言えばヨーロッパ」というイメージを持たれる方が多いかと思いますが、始めてヨーロッパへと伝わったのは、紀元前3000年から紀元前1500年(所説あり)とされています。
現在のレバノン周辺に住んでいたとされるフェニキア人によってギリシャにワインが伝えられました。
その後はフェニキアの船乗りやギリシャ人によって、北アフリカやフランス、スペインなどの地域にワインを栽培するブドウ園とワイン醸造所を広めました。
ワイン発展と宗教
こうしてヨーロッパへと広まったワインですが、更なる拡大の要因は宗教にあります。フェニキア人は神様に飲みものを捧げる際に主にワインを使用していました。
この慣習はフェニキア人の祖とされるカナン人の時代には既に存在しており、これが後にユダヤ教やキリスト教へと受け継がれたとされています。
その後は、キリスト教などの広まりと共にフランスを中心としたヨーロッパ全土に広がったことにより「ワインはヨーロッパ」というイメージを確立していきます。
そして16世紀に迎える大航海時代によって世界各地へとワインは広まっていきます。
日本とワイン
日本史上初めてワインが登場するのは室町時代とされています。キリスト教の布教を目的として日本にやってきたフランシスコ・ザビエルが大名にワインを献上しました。
その後、貿易統制政策の時代を経て明治維新による近代化の波に乗って日本でもワインが本格的に広まりだしました。
日本におけるワイン作りの起源は約140年前の明治時代、既にぶどうの栽培が盛んであった山梨県の2人の青年がフランスでワイン作りを学んだ後に会社を設立したこととされています。
当初、政策の一環として掲げられていたワイン醸造ですが、日本における消費の拡大には難航していました。消費が拡大し始めたのは、戦後に東京オリンピックが開催された頃あたりとされています。
高度経済成長を迎え、食生活の洋風化の流れを受けてワインの消費量が日本国内でも拡大をしていきました。
【参考】
日本経済新聞記事「フェニキア最古の醸造所 ワイン文化はここから世界へ」2020.11.18
日本ワイナリー協会 https://www.winery.or.jp/