住宅ローン金利、金利上昇下で競争激化
日本の長期金利が上昇傾向にある中、各銀行が住宅ローンの金利の引き上げが行われている。大手5行の7月の住宅ローン金利(10年固定)は以下となった(金利が低い順)。
1.みずほ銀行 : 3.15%
2.三井住友信託銀行 : 3.35%
3.りそな銀行 : 3.65%
4.三菱UFJ銀行 : 3.69%
4.三井住友銀行 : 3.69%
ただし、これは「基準金利」であり、この基準金利から審査結果を基に金利を優遇する「優遇金利」分を差し引いたものが実際の借入金利となる。
この、実際の借入金利で金利が低い順に見てみると以下の通りとなる(最優遇金利の場合)。
1.三井住友信託銀行 : 0.97%
2.りそな銀行 : 0.995%
3.三菱UFJ銀行 : 1.04%
3.三井住友銀行 : 1.04%
5.みずほ銀行 : 1.05%
更に、各行これに様々なキャンペーンを行ってお得感を演出している。
1番金利が低い三井住友信託銀行は、複数のプランを用意しており最も金利優遇の大きいプランで、投資信託自動購入を同時に申し込むと0.03%の金利引き下げが受けられる。
2番目にりそな銀行は、対象物件が「環境配慮型住宅」に該当する場合には金利を更に0.01%を割り引くキャンペーンを行っている。
また、住宅ローンと言えば手続きが非常に複雑であったがコロナ禍で各行オンラインやペーパーレスでの対応を始めたことでコスト面の削減が可能となったことも金利優遇に反映されていると言えるだろう。
上述の固定金利は市場金利の影響を受けて、各行引き上げを行っているが、
対する変動金利の引き上げは行われていない。変動金利は日銀が決定する政策金利により各行住宅ローンの変動型の基準金利が決定される。足もと政策金利の引き上げは行われていない為、変動金利の引き上げは行われていない。しかし政策金利が今後引きあがることがあれば、変動金利の方も上がっていくことになるだろう。
アメリカでは金利が急上昇していることを受け、住宅ローン金利にもその上昇が反映されることから、住宅ローン金利の返済の負担が重くなってきている。現状日本においては、各行がキャンペーン等で割安感を演出しているが、今後どのように対応を行っていくかは注視していく必要がある。