コロナ禍1年後の意識調査
コロナ禍になって約1年経過したところ4月、博報堂生活総合研究所は「新型コロナウイルスに関する生活者調査」(首都圏・名古屋圏・阪神圏の20~69歳の男女1500名対象)を行い、生活者が「現在の生活スタイルの維持意向」や「新たに気づいたこと」などについて聞いています。
生活スタイルを維持したいか?
この調査によると、「現在の生活スタイルを維持したいか(新型コロナウイルスヘの感染懸念がなくなった前提で)」との質問に、「そう思う」計が56.3%と半数を超えました。
年代別で理由が異なっており、20代、30代では「時間の無駄削減や自己管理ができるから」「快適/健康的なリズムで生活できるから」など生活の快適さを挙げる人が多く、60代では「コロナに限らず感染が不安で対策が必要だから」が高くなっています 。
ただ、50代では、「維持したくない」が51.4%と、「維持したい」48.6%を上回っています。維持したくない理由は「不自由やストレスで楽しくないから」(39.8%)、「自由に外で活動したいから」(39.2%)、「人と交流や会食がしたいから」(13.5%)が上位3つとなっています。
この1年で新たに気づいたことは?
また、コロナ禍生活になってから1年で新たに気付いたことについて17項目を提示したところ、
1位「自分も社会全体も衛生意識が高まり、風邪や病気にかかりにくくなった」(66.1%(「あてはまる」「ややあてはまる」の計、以下同じ))
2位「家族と過ごすことが楽しくなった」(57.9%)
3位「人と対面で会うときは、その時間を大切にするようになった」
「自分にとって大切なものを見極める機会になった」(共に57.1%)
5位「自由な時間を、自分の成長のために使いたいと思うようになった」(56.6%)
となりました。これまで“当たり前”だと考えていた物事の価値を見直したり、自分にとっての優先順位を考え直す機会になっているようです。
男女別・年齢別
■男女別にみると、男女差が大きいのは、「人と対面で会うときは、その時間を大切にするようになった」(男性48.5%、女性65.8%でl7.3pt差)、
「自由な時間を、自分の成長のために使いたいと思うようになった」(男性50.1%、女性63.3%で13.2pt差)など。
■年代別では、全体と比べて20代が特に高いものは、
「通勤・通学時間などが減って、自由に使える時間が増えた」(全体32.1%、20代47.9%でl5.8pt差)
「テレワークやオンライン授業を経験して、必ずしも会社や学校へ行く必要はないと感じた」(全体38.7%、
20代53.8%で15.1pt差)
「オンラインでの買物や診療など、オンライン上でできることが増えて、便利になった」(全体48.1%、20代62.9%でl4.8pt差)
そして「家で過ごすことが楽しくなった」(全体52.6%、20代67.1%で14.5pt差)などと続いています。
20代では、生活の中でのオンライン活用による利便性向上や、自由な時間が増えたことへの実感が非常に大きく、結果的に“おうち時間”の楽しさを味わった1年になったようです。
コロナ対策が日常的になり、ネガティブな面だけでなく、ポジティブな面に目を向けながらこの状況を乗り越えている強さを感じますね。