コツコツは勝つコツ
投資で勝つコツはコツコツ続けることだろう。
投資の三原則に「長期・積立・分散」という言葉があるがこれを抽象的、ザックリと言うならば
「コツコツ続ける」だろうか。
そしてそのコツコツ投資を続ける仕組みこそが「つみたてNISA」なのだろう。
制度開始から5年の現在地(つみたてNISA)
つみたてNISA制度が2018年に開始され5年が経過する。
2018年1月時点から資産運用を開始していた場合の運用成績はどのようになっていただろうか。
(5年間で約200万円積み立てた場合の運用成績。図は日本経済新聞『つみたてNISA5周年 コツコツ投資の成果は?』を当ページ用に再編集したもの)
① 日本株型
日本株型で最も良いパフォーマンスとなったのは「大和住銀DC国内株式ファンド(三井住友DC)」。
値上がり率は31.05%となっており、他のファンドと比べ一段運用成績が良い。
最も注目すべきポイントは運用成績下位銘柄であっても、運用成績はプラスであった。つまりどの銘柄を購入していたとしてもプラスであったということだ。
運用成績上位5銘柄
運用成績下位5銘柄
② 外国株 / 全世界株 型
外国株 / 全世界株 型で最も運用成績が良かったのは「iFree S&P500インデックス(大和)」。
値上がり率は38.90%であった。
注目すべくポイントは2点。
1点目は日本株型と同様、すべての銘柄で運用成績がプラスであったこと。
2点目は運用成績が総じて日本株型よりも良かったこと。
運用成績上位5銘柄
運用成績下位5銘柄
③ バランス型
バランス型で最も運用成績が良かったのは「eMAXIS 最適化バランス -マイストライカー-(三菱UFJ国際)」。
バランス型は日本株や、外国株 / 世界株 とか異なり運用がマイナスのファンドが幾つかあった。
運用成績上位5銘柄
運用成績下位5銘柄
バランス型の幾つかのファンドでマイナス運用があったが、それ以外のほとんどでプラス運用という結果が出ている。タイミングやどの銘柄を選ぶかによってプラス幅に差は出るものの、「プラス運用」という意味ではそれよりも時間をかけてコツコツ運用していくことが重要であることが分かる。
運用開始から約50年後の現在地(投資信託)
運用会社で世界的に有名な「キャピタルグループ」は運用において長い歴史を持つ会社の一つである。
キャピタル社の資料に1973年3月末から2021年末までの48年間の運用成績をグラフに表したものがある。
こちらをご覧いただくと、
つまり、約50年ものの期間を見たときには投資で負けることはほとんどなくなっている。
(データ上は負けていない)
5年間保有した場合、91%の人の運用成績がプラスとなり、15年間保有すれば過去のデータ上は100%プラスになっていたという。たとえ最も高い価格のタイミングで運用を開始してしまったとしても。
<詳細>
CAPITAL GROUP 「キャピタル世界株式ファンド」
コツコツ続ける投資
近年、投資というものはお金持ちだけのものではなくなっている。
多くの方が投資を経験する時代となっているだろう。
そんな中、その勝ち方についてざまざまな情報が出回っている時代でもある。幸か不幸か。
それらを否定するつもりはない。本当に勝てる方法や技術を持つものもいるのだろう。そこには相当に高度なものがあるのだろう。
しかし、多くの方が投資を行う時代においてはそれらはどれだけの効果を発揮してくれるかわからない。
そうなった場合の勝つ方法は、まさに「コツコツ」なのだろうか。
<参照>
日本経済新聞 『つみたてNISA5周年、コツコツ投資の成果は?』 2023.2.2
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB270X70X20C23A1000000/