今考えるべき2世代運用

2世代運用が話題となっている。

老後資金不足問題が話題になり、「老後」へ向けて資産運用を行う人が増えてきている。特に現役世代は自らの老後資金は自らが準備していかないといけないといった意識からここ数年資産運用を行う人の割合が増えてきている。

一方で、現役は退き退職金やこれまでの貯えを基に資産運用を行う高齢世代の割合も多い。

「若い世代はリスクが取れる。一方で高齢世代はあまりリスクを取れない」といった通説がある。当然、資産運用においては「時間」は最もリスクを軽減できる要素の1つである。このことから時間を多く持っている者はリスクをより多くとれるといったことは理解はできる。個々人として考えるならば、「現役世代はよりリスクをとったポートフォリオ、高齢世代はリスクを極力抑えたポートフォリオ」となるかもしれない。しかし、これが親と子の関係である場合はどうだろうか。各家庭様々な事情や考えがあるかとは思うが、「相続」という観点から親の資産は少なからず子供に関係してくる。資産運用の目的が自らの生活資金の為であるならば極端な話自らが全ての資産を使い切ることで子供に影響を及ぼすことはなくなる。しかし、上記と並行して「子供に少しでも多くのお金を遺したい」という思いがあるとするならば話は少し変わってくる。

リスクが少ないものは当然にリターンも少なくなる。円安やインフレが起きている中で、リスクを避けすぎるあまり資産運用の恩恵を受けられないほどのリターンしか出ない等といったことも考えられる。これでは子供たちに少しでも多くのお金を遺したいという想いを実現することができない。

そこで考えられるのが「2世代運用」である。その言葉の通り「親と子2世代に渡って資産運用」を行うこの2世代運用の一番のメリットはやはり「時間」であろう。親が積み上げてきた資産を子が持つ時間を使って資産運用を行うことでより安定的な資産運用の実現が可能となる。また、運用面だけでないメリットも存在する。例えば生前から親子で資産運用を考えることで、生前贈与等といった生前に行っておくべきことが出来る。更には親が意思決定を行うことが困難になることを見越した上での対策を講じることも可能になる。なにより資産承継までの間の時間をしっかりとれる点から、実際に相続が発生した際に争う族にならないことが最も大きなメリットの1つと言えるだろう。

ここ数年での社会の急激な変化は人間の在り方をも劇的に変える。それは人生の終え方もその1つなのだろうか。実際に2世代運用を考える人が増えてきている。