メタバースは身近な存在になり得るか

 

メタバースという言葉を最近よく耳にする。

メタバースとはインターネット上の仮想空間の事を指し、その語源は超越したという言葉の「Meta」と宇宙という言葉の「Universe」を掛け合わせて出来た造語である。最近流行りだしたように感じているが、1990年代後半には既に仮想空間の商業化には成功しており、2000年代中盤には世界的に注目を集めるようになっていた。そして、ここ数年で新型コロナウイルス感染症の拡大により非接触がテーマに挙げられたこと、またネットワーク最大手企業のFacebookがメタバースの実現に向けて本格稼働したことから、急加速でメタバースという言葉が世界に広まりを見せた。

 

仮想空間というものにまだ実感が湧いていない人も多い事だろう。本当にそのような未来が来るとは到底信じがたい、と思われている方も多いだろう。しかしテクノロジーの進化は常に我々を驚かせてきた歴史がある。実際にどのように実現するか、はたまたそのような未来が到来するかは分からないが、可能性があるのは間違いないだろう。事実、日本でも様々な企業がメタバースに参入している。

 

① ソニー

 

ソニーはメタバースで「ライブ感」を重視し、ゲームや音楽、映画やスポーツ等のエンタテイメント分野において時間と空間を共有できる新しいエンタテインメント体験の創出の為、技術開発や技術力を持つ企業の買収を進めている。また吉田社長は「空間」という観点から、モビリティ面についても言及している。将来的に自動車がネットワークを通じてアップデートをすることができる未来を創造する為、ホンダとパートナーシップを提携している。

 

 

② ANA

 

ANAグループ傘下であるANA NEOはバーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」を運営しており、「時空を超える旅客機」をコンセプトに自宅に居ながらもバーチャル旅行を楽しめサービスを提供する。また、旅行体験以外にもモール内での買い物も可能となる。他にも教育等幅広い分野への対応も目指している。現在では既に京都市等自治体との連携も進んでおり、メタバース上での新たな街づくりが始まっている。

 

 

③ KDDI

 

大手通信会社KDDIは、メタバース用プラットフォーム「VIRTUAL CITY」の提供を発表し渋谷や原宿を再現したバーチャル空間が誕生している。バーチャル空間上と実際の店舗を連動するショップを開設し、バーチャル空間上で購入した商品を実際の手元に届くサービスの提供を想定している。まさにリアルとバーチャルを融合した世界の創造をテーマとしている。