大手銀行が連携「ことら送金」

 

他行間での振込手数料が高いと感じたことある方はどのくらいいるだろうか。キャッシュレスが進み銀行の存在意義が問われている。そんな中、個人間での少額送金の利便性が劇的に向上するかもしれない。

3メガバンクとりそなグループが連携して新たな送金サービスの提供を今秋に予定している。三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな(埼玉りそな)が25%ずつ出資を行い、株式会社ことらを設立。同社にて新たな決済インフラの構築が行われます。

 

 

<従来の送金方法>

 

現在は他行に送金を行う際には、全国銀行データ通信システム(全銀システム)を使用する。

このシステムは1973年から約50年利用されている長らく日本の金融システムを支えてきた存在である。これは世界に先駆けられた銀行間のリアルタイム資金決済ネットワークシステムであり、大規模災害などでもシステムエラーが起きることはない強靭性を持ち合わせていることが50年以上も利用されている所以だろう。日本の金融機関(預金取り扱い)のほとんどがこのネットワークに加盟している為、基本的にはどこからどこへでも送金が可能な巨大システムである。しかし、これが故に時代に取り残されている事実も存在している。システムが古いかつ巨大すぎるが故の遅さ、コストの高さは、キャッシュレス化によりスピードや手軽さが求められている時代には合わないことだろう。いくら優れている面を持ち合わせていたとしても使われないことには意味がない。そこで、日本の大手行が協力して新たな決済インフラ設立に踏み切った。

 

 

<ことらサービス>

 

新サービスことらにより低コストでの送金の実現を目指している。また、送金の際に面倒な手続きを省略し、電話番号やメールアドレスの入力のみで送金が出来るようになり利便性の向上も期待ができる。更には決済サービス事業者等との提携も予定しておりキャッシュレス×銀行が期待される。

 

 

<今後に期待すること>

ことらサービスの開始により、より自由な資金移動が期待される。そして資金移動がより自由になったことでお金の循環が良くなることは当然に日本経済にとってプラスであろう。全銀システムが開発された当初は世界を引っ張る存在であった日本の金融が今では金融後進国と言われる存在になっていることは事実だろう。世界的に見ても金融の在り方が問われており、変革の時を迎えている。勿論他の様々な業種変革を必要とされてはいるであろうが日本はお世辞にも変革をうまくこなせているとは言えないだろう。社会のインフラである金融においては少なくとも変革の波に飲み込まれることなく、進化を続けてもらいたい。