広い土地 相続税を安くするためには
広い土地 相続税を安くするためには
相続財産を評価するとき土地の評価はとても難しいです。
相続税の計算を税理士に依頼すると、税理士の数だけ土地の評価が変わると言っても過言ではありません。
今回は土地の評価額を引き下げる方法の一つとして、地積規模の大きな宅地の評価をご紹介します。
目次
土地にかかる相続税評価の現状
日本の場合、家計資産でもっとも大きな割合を占める資産が「土地」という家庭が多いです。
弊社でも相続のことで相談される方のほとんどが土地や投資用マンションなど不動産に関する相談です。土地は一般的に路線価などを使い評価しますが、単純に路線価等で計算された金額だけでなく、税額や評価額を引き下げるさまざまな方法が国税庁のホームページに記されております。税理士にも得意分野があり、相続を得意としていない税理士に依頼すると路線価等で単純に計算された価額で税額を計算されてしまい、相続税を多く支払ってしまうことも多いようです。
地積規模の大きな宅地とは
三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)においては500㎡以上の宅地、三大都市圏以外については1000㎡以上の宅地を規模の大きな宅地と言います。
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象は路線価地域の場合、商業地域、併用住宅地域、住宅地域です。倍率地域の場合、上記の地積規模の大きな宅地に該当する宅地です。
ただし、次の宅地は対象外です。
・市街化調整区域の宅地
市街化調整区域とは市街化開発を積極的に行わないなど、建築に制限のある土地です。
・工業専用地域に指定されている宅地
・指定容積率が400%(東京23区は300%)以上の宅地
容積率とは敷地面積に対する割合の延べ面積です。土地計画で定められている容積率を指定容積率といい、都市計画図で確認することができます。
・50,000㎡以上の大規模工業用地
どのくらい下げられる?
土地の面積に応じた「規模格差補正率」を乗じ計算します。
規模格差補正率は次の通りです。
規模格差補正率 = ( 宅地面積 × ① + ② ) ÷ 宅地面積
三大都市圏の場合
面積 |
① |
② |
500㎡~1000㎡ |
0.95 |
25 |
1000㎡~3000㎡ |
0.9 |
75 |
3000㎡~5000㎡ |
0.85 |
225 |
5000㎡~ |
0.8 |
475 |
三大都市圏以外の場合
面積 |
① |
② |
1000㎡~3000㎡ |
0.9 |
100 |
3000㎡~5000㎡ |
0.85 |
250 |
5000㎡~ |
0.8 |
500 |
路線価地域の宅地評価は次のように求めます。
路線価 × 奥行価格補正率 × 不整形地補正率 × 規模格差補正率 × 面積
倍率地域の宅地評価は次の①・②のうちどちらか小さい方です。
①宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じた価額
②1㎡当たりの価額×奥行価格補正率×不整形地補正率×規模格差補正率×面積
いずれの場合も規模格差補正率により最大で2割弱評価を引き下げることができます。
遺産分割次第では評価減をつかえないことも
地積規模の大きな宅地を分割し相続した場合、これらの評価は適用できなくなります。
例えば条件を満たす1200㎡の宅地を3人で3等分、つまり400㎡ずつ相続した場合、三大都市圏の条件を満たさなくなります。
1200㎡を相続した場合の規模格差補正率は96.25%ですので4.75%ほど評価が上がります。
今回ご紹介した評価はほんの一例です。国税庁のホームページにはこのほかにもさまざまな評価方法が記載されています。
土地はどれ一つとして同じものが無く、形も様々です。相続税は金額が大きくなることが多いので、使える評価減は使用したいものです。
Nihonbashi Family Officeには相続専門のコンサルタントがおります。ぜひ一度、財産評価を行ってみてください。