共働き夫婦の住宅ローン選び:リスクと安心を両立するポイントとは?

近年、共働き世帯が増える中で、「夫婦で住宅ローンを組む」という選択が一般的になりつつあります。収入合算によって借入可能額が増え、希望の物件に手が届く反面、ライフイベントや将来のリスクを見据えた慎重な判断も必要です。今回は、共働きで住宅ローンを組む際に知っておきたい基本と注意点、安心のための対策をわかりやすく解説します。


■ 共働き夫婦が住宅ローンを組む方法は主に3種類

1. 単独名義

夫または妻のどちらか1人でローンを契約。もう一方は連帯保証人になるケースも。

メリット:手続きがシンプル/収入に余裕があれば柔軟な返済計画が立てやすい
デメリット:借入可能額が少なくなる

2. 収入合算

主債務者に加え、配偶者の収入を合算して審査し、借入可能額を増やす方法。配偶者は「連帯保証人」または「連帯債務者」になる。

メリット:高額なローンを組める/夫婦の収入バランスを活用できる
デメリット:万一どちらかが退職や休職すると返済が難しくなる可能性がある

3. ペアローン

夫婦それぞれが独立したローン契約を結ぶ方法。住宅ローン控除もそれぞれに適用可能。

メリット:借入額・控除枠が2倍/共有持分を明確にできる
デメリット:手続きが複雑/事務手数料・保証料が2倍かかる


■ 共働きでローンを組む際の注意点

● ライフイベントに備える

出産や育休でどちらかの収入が減ると、返済計画に影響が出る可能性があります。返済額は「どちらか一方の収入でも返せる」金額に抑えるのが安全です。

● 持分割合と将来の名義問題

共有名義で住宅を取得する場合は、登記上の「持分割合」も重要です。将来、売却や相続が発生したときにトラブルにならないよう、契約時にきちんと確認しましょう。

● 団信(団体信用生命保険)の加入範囲を確認

単独ローンや収入合算では、団信が主債務者のみに適用されることが多いです。ペアローンの場合はそれぞれに団信がつくため、どちらかに万が一のことがあった場合でも返済リスクを軽減できます。


■ 安心して住宅ローンを組むためのポイント

  1. 将来のキャッシュフローを試算する
    育休・教育費・老後資金なども含めた家計シミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てましょう。

  2. 固定金利か変動金利かを慎重に選ぶ
    共働きでも収入が不安定な場合は、返済額が一定の固定金利を選ぶと安心です。

  3. 繰上返済の計画を立てる
    ライフイベントの前に返済負担を軽くするため、余裕のある時期に繰上返済を行うのも一つの手です。


■ まとめ:共働き住宅ローンは「安心設計」がカギ

共働きで住宅ローンを組むと借入額の幅は広がりますが、将来的なリスクを見据えた設計が欠かせません。ペアローンや収入合算、金利タイプ、団信の範囲などを比較検討しながら、「今だけでなく10年後、20年後も無理なく返せる」安心の家計設計を心がけましょう。