つみたてNISAの利用状況

 

少子化や年金2000万円不足問題等、多くの問題を抱えている中で「投資」というものに対する国民の考え方が変わりつつある。

中でも「貯蓄から投資へ」を掲げ、投資を促すために開始されたつみたてNISA制度はその一端を担っている。

つみたてNISA制度が2018年から始まって4年以上が経過し、その利用者が右肩上がりに上昇してきている。

 

つみたてNISA制度とは

 

利用できる方 : 日本に住む20歳以上

非課税枠 : 投資金額年間40万円

非課税期間 : 最長20年間

投資可能期間 : 2018年から2042年

非課税対象 : 投資信託への投資から得られる分配金、譲渡益

 

つみたてNISAの利用状況

 

2022年3月末時点のつみたてNISAの口座数は587万口座となっている。口座数は、制度が開始された2018年1月から右肩上がりで毎年増え続けている。

更に、1口座あたりの投資額も上昇しており、2021年の1口座当たりの投資額平均は16万円(前年比プラス3万円)となっている。

 

年齢別に見ると、30代の利用が最も多く、次いで40代20代と現役世代のNISA口座開設が目立っている。また、つみたてNISAと一般NISAどちらを利用しているかについては、20代ではつみたてNISAの利用が多く、30代は半々、40代以降は一般NISAの利用が多くなっている。これを見るとやはり若い人ほど投資に関する感度が高いと言え、ゆくゆくはNISA口座を開設することは当たり前のことになってくるかもしれない。これは非常に良い傾向であると言えるだろう。

 

つみたてNISAの運用成績

 

つみたてNISAすべての口座を合計した利益総額は2021年末時点で3,300億円となっている。買付総額が1兆5300億円であったため、21%の利益がでていることになる。

投資は長期的な視点を持つことが良いパフォーマンスを生み出すための鉄則とされているが、制度が開始されてから4年が経過し、その効果が出始めている。つみたてNISAの非課税期間が20年間であることを考えると利益は更に積み上がっていくことだろう。

 

今後とまとめ

 

つみたてNISAは間違いなく追い風局面にいる。

投資信託は約6000本あると言われていれるが、つみたてNISAの非課税枠を利用できるものは金融庁が定める約200種類に絞られる。確かに、投資初心者の方にとっては金融庁が幾つか選定したものの中から投資対象を選択できるのはありがたいことだろう。

 

また、政府はつみたてNISAの非課税枠を現行の年間40万円から60万円への変更を検討している。引き続き貯蓄から投資へ促す動きは見られていきそうである。以前は投資はお金持ちがやるもの、リスクの高いものというイメージを持つ人が多かったが、投資をすることは必要不可欠な時代がやってきている。

 

<参照>

金融庁 『つみたてNISAの概要』

ニッセイ基礎研究所 『つみたてNISAの利用状況~2021年は買付が増え、売却が減少~』