ファンドラップ各社運用成績発表
投資家に代わり運用から資金管理までを金融機関が一括で行うファンドラップの金融機関別のパフォーマンスが発表された。
QUICK資産蘊奥研究所が作成した「2022年1-3月ファンドラップの運用損益がプラスの顧客割合ランキング」は以下のとおりである。
(括弧内は運用損益プラスの顧客割合)
1位 三井住友信託銀行(98%)
2位 大和証券(97.8%)
3位 野村証券(94%)
4位 SMBC日興証券(94%)
5位 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(86%)
6位 りそな銀行(81%)
7位 みずほ証券(48%)
8位 三菱UFJ信託銀行(20%)
このランキングを見ると、金融機関によってパフォーマンスに大きな差が出ているのが分かる。2022年はロシアのウクライナ侵攻やインフレ、世界各国の脱コロナ政策による金融引き締め等、株式市場は不安定な状況が続いている。このような不安定な状況においてどれだけのパフォーマンスが出せるのかが腕の見せ所である。
8社中最下位となっている三菱UFJ信託銀行は2021年においても同最下位となっている。しかしながらコロナが世界的に拡大した2020年は同8社の中では最もパフォーマンスが良かった(22%)。因みに、2022年1-3月トップの三井住友信託銀行の2020年の成績は6位(8%)とここ3年で順位は大きく入れ替わっている。もう一度言うが、コロナ禍のように市場が不安定な状況に置かれたときにどれだけのパフォーマンスを出すことができるかが腕の見せ所である。
2022年3月末に各社から発表されたKPI(共通成果指標)は77.4%と2021年の90.2%から大幅に下がる結果となっている。
支払うコストに見合った運用が出来ているのか。他の商品で運用した方が運用効率は良いのではないだろうか。顧客がそのように感じ始めているのかもしれない。
<参照>
日本経済新聞 「ファンドラップで運用益の顧客、大手8社でバラツキ」 2022.8.2