年金分割制度について

熟年離婚の件数が増加している。

2010年からの10年間で離婚件数は2割弱減少しているのに対して、熟年離婚(同居期間20年以上)の件数は増加している。

離婚の際は養育費や親権、財産分与等話し合いを行わなければならない項目がいくつかあるが、熟年離婚の場合には養育費や親権など子供に関する項目は、子が独立しているケースが多い為話し合いの必要がない事が多い。

財産分与を取り決める際に、保有財産を共有財産と特有財産に分けて考える。共有財産は婚姻期間に協力して築いた財産であり、現預金や不動産、有価証券以外にも年金も共有財産となることも注意が必要である。

<年金分割とは>

年金分割とは、離婚した際に、婚姻期間中の保険料納付額に応じて厚生年金を分割する仕組みである。

<分割方法>

(1) 合意分割

双方の合意の元、二人からの請求により分割が行われる。分割割合は双方の合意、もしくは裁判手続きにより決定された割合での分割となる。

(2) 3号分割

双方が国民年金第3号被保険者であった場合、その者からの請求により分割が行われる。

分割割合は2分の1ずつとなる。

<請求方法>

年金事務所または年金相談センターに「標準報酬改定請求書(離婚時の連勤分割の請求書)を提出する。分割の割合、請求手続きの完了をもって分割が行われる。

なお、離婚した日の翌日から2年経過、もしくは離婚が成立した後相手方が死亡した場合、死亡日から1か月が経過していると請求が出来なくなるので注意が必要。

<分割の対象とならないもの>

国民年金や確定拠出年金や個人年金は年金分割の対象外となる。