DCの上手な受け取り方とは?
DCとは「確定拠出年金」のことであり、
「企業型」や「個人型=iDeCo」などの名前でも知られています。
老後の資産形成方法として人気の高いDCですが、
実際に受け取る場合を考えたことはありますか?
今回は、上手にDCを受け取る方法についてお知らせします。
まず、DCの受け取り方は、以下の3パターンがあります。
1、一時金方式
(一括でもらう)
2、年金方式
(毎年分割でもらう)
3、1と2の併用
2の「年金方式」は、受け取る総額が若干多くなりますが、
社会保険料の計算対象となり、手元に残る金額が
少なくなる方が多い傾向にありますので、
今回は1の「一時金方式」について話をすすめていきます。
(1は社会保険料を取られません。)
【一時金方式で受け取る場合】
一番気を付けたいのは、税金の控除枠が企業からもらえる
「退職一時金」と同じ枠で計算される、という点です。
【退職所得控除の計算方法】
勤続20年未満の場合 40万円×勤続年数
勤続20年以上の場合 800万円+ 70万円×(勤続年数-20年)
つまり勤続年数が
15年なら600万円、20年なら800万円
30年なら1,500万円、35年なら1,850万円
まで、課税されません。
「退職一時金」と「DC」を合わせた金額が、
上記の控除額を超えた部分は、課税対象となるため、
退職金の多い会社員はそれだけで控除枠を
使い切ってしまうケースが多くみられます。
そうなるとDCで受け取る金額が全額課税される
なんてこともあり得るのです。
ちょっと損したような気に
なっちゃいますよね…。
▷▶▶そこで、FPからのアドバイス◀◀◁
受け取る年をずらすことで「退職一時金」と「DC」
それぞれで控除枠をフルに使うことは可能になります。
ところが、「1年ずらすだけではダメ」なので要注意です!
退職所得控除を計算する際、以下の期間は、「重複期間」とされ、
それぞれフルで控除枠を使えません。
退職一時金:受け取る前4年間
DC:受け取る前14年間
ということは、控除枠をフルに使いたい場合、
以下の様に受け取ればよいことになります。
①DCを受け取る15年以上前に退職一時金を受け取る
②退職一時金を受け取る5年以上前にDCを受け取る
一般的な退職年齢60歳~70歳で考えると、
①の方法では「60歳に退職、DCの受け取りを75歳以降」
としたいところですが、DCの受け取りは70歳までなので不可能です。
一方、②は、DCの引出しが原則60歳以降であることを考慮しても、
退職年齢が65歳であれば、DCを60歳で受け取り
フルで控除枠を使うことが可能となります。
現実的ですね!DCの受け取りの際は、参考にしてみて下さいね。