「所得控除」と「税額控除」
皆様は、「所得税」がどのように計算
されているかご存じでしょうか。
「所得税」の計算方法を知ることで、
実は納税額を減らすことができます。
<そもそも「所得税」とは>
所得税とは、個人の所得に対して課税
される税金です。
所得とは入ってくるお金のこと。
つまり、何かしらの形でお金が入ってくると
税金を支払わなければいけない仕組み
となっています。
<「所得税」の計算方法>
所得税を計算する際の考え方で
大切なのは、
「手元に残ったお金」
で支払う税金の額を算出するのではなく、
「入ってきたお金」
で算出されるということです。
所得税と課税対象となる所得は
10種類に分けられ、それらを合計した
金額に応じて税金が計算されます。
①所得額の総額を計算
②計算した所得額に応じた税率が決定
(所得額が多いほど税率が上がります)
③決定した税率を基に税金額を決定
以上のような流れで
実際に我々が支払う税金額が
決まります。
しかし、入ってきた金額全てが
この計算の対象になるわけでは
ありません。
所得税の計算には、
・所得控除
・税額控除
の2種類があります。
<所得控除>
所得控除には以下のようなものがあります。
・基礎控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・寄付金控除
・医療費控除
・小規模企業共済等掛金控除
・障害者控除
・勤労学生控除
・寡婦(夫)控除
・雑損控除
など
所得控除とは、税金を計算する上で
控除していいですよ、とされている
ものです。
当然ながら、控除できる額には限度が
あります。
例えば上の「生命保険料控除」
とは、生命保険料等を支払った際に
年間支払額に応じて最大40,000円
(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)
を税金を計算する際に所得としてカウント
しなくて良いですよ、と
いった仕組みです。
つまり、上のような控除を使うことで
税金に計算される金額を
少なくすることができます。
なので、税金額の計算の流れの
①の時点で一定金額を控除することができます。
これによる効果は、
①税金を算出する際の所得額を減らせる
②税率を下げられる(可能性がある)
③税金額が減る(可能性がある)
<税額控除>
税額控除には、以下のようなものがあります。
・配当控除
・住宅借入金特別控除
・外国税額控除
などです。
税額控除とは、算出された税金額から
一定額支払う税金額を減らして良いですよ、
というものです。
例えば、住宅借入金特別控除は
ある一定要件を満たし住宅ローンを
組んだ場合、借入から基本的に10年間
は年末時点のローン残高の1%(上限あり)
を支払うべき税金から減らして良いですよ、
というものです。
なので、
①、②の行程を経て仮に
支払う税金が100万円、
住宅ローン控除額が20万円だった場合
100万円-20万円で支払う税金が
80万円となる仕組みです。
<まとめ>
「所得控除」と「税額控除」の違いは
以上です。
「所得控除」は税金を決める際の
「所得額」から控除できるもの。
「税額控除」は決定した税金額から
実際に支払う「税金額」を控除できるものです。
なので、単純に比較して
「所得控除」と「税額控除」の
控除額が同じものがあったとするならば
「税額控除」の方がより「お得」と
なります。
使える控除を賢く使うことで
支払う税金額を抑えることができます。