おしどり贈与とは

 

夫婦間で居住用の不動産を贈与した際に適用される配偶者控除制度がある。通称「おしどり贈与」と呼ばれ、その言葉の通り結婚してから特定の年月を経た夫婦間において使える制度であり「おしどり夫婦」という言葉を捩りこのような呼ばれ方となったのだろう。

この制度の適用を受けるための要件は以下の通りである。

 

①婚姻期間が20年を超した後に贈与が行われること

 

②贈与される財産が居住用不動産、もしくはそれを取得する資金

(土地も含む)

 

③贈与を受けた年の翌年3月15日までに当該不動産に贈与を受けた者が住み、かつその後においても住み続ける見込みを有すること

 

上記、条件に該当する場合に年間の基礎控除110万円にプラスして2,000万円までを控除することができる。なお、同一配偶者からの贈与において、この制度は一度きりの使用のみ認められている。

 

 

 

余談だが、「オシドリ」という鳥はオスとメスの関係性においていわゆる「おしどり夫婦」でイメージされるものとは異なる性質を持っていることは有名な話だろうか。日本でも見ることができるこの鳥は先述のおしどり贈与のように長年パートナー関係を保つような生物ではないという。「おしどり夫婦」の由来は中国故事の「鴛鴦の契り」であるそう。中国戦国時代にとある王の巨下であったものの妻がその王に奪われた為、臣下は自害。それを追った妻も亡くなり、そのことを知った王は二人を同じ場所に埋葬。その場所から生えた木に一組のオシドリが住み着いたことがこの言葉の誕生に繋がったとされている。確かに漢字に変換すると「鴛鴦(オシドリ)」と出てくる。

その言葉の意味と由来を知ることは大変勉強になる。